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当院のコンタクトレンズ処方について
コンタクトレンズは直接角膜(眼球)に装用するため、高度管理医療機器に指定されています。
これはペースメーカーや人工関節などと同じ分類であり、不適切な使用は眼に重大な影響を与える可能性があります。
近年、使い捨てレンズの普及やインターネット販売の拡大により、適切な診察を受けずにコンタクトレンズを購入される方が増えています。また、定期検査も十分におこなわれていないケースが少なくありません。ご自身の眼を守るためにも、信頼できる眼科での定期的な診察をおすすめします。
コンタクトレンズ検査の流れ
STEP01
問診
眼の症状だけでなく、次の情報もお聞きします。
- これまで使用していたコンタクトレンズの種類、メーカー、製品名
- レンズの規格(ベースカーブ、度数など)
- 使用歴・頻度・1日の装用時間
- 処方を希望するレンズの種類
STEP02
眼圧測定
眼に空気を当て、眼球の固さを測定します。通常21mmHg以下が正常範囲ですが、22mmHg以上ある場合は経過観察が必要なことがあります。
STEP03
レフケラトメーター検査
他覚的な屈折力(近視、遠視、乱視の度合い)と角膜の曲率半径(曲がり具合)を測定します。曲率半径はコンタクトレンズのカーブを選定する重要な基準となります。
STEP04
角膜形状解析(TOPO)※
角膜の形状を詳細に解析します。特にハードコンタクトレンズ使用者では、角膜が変形していないか、円錐角膜や不正乱視などがないかを確認します。
※ハードコンタクト装用者に実施
STEP05
視力検査
他覚的な屈折力を参考に、自覚的な視力を測定します。裸眼視力、遠方視力、近方視力、メガネ視力などを測り、コンタクトレンズの度数を決定する基準とします。
STEP06
角膜内皮細胞検査
角膜の最内側にある細胞の状態を調べます。コンタクトレンズ装用による酸素不足で細胞が減少することがあります。1㎟あたり1000個以下になると視力に影響し、重症の場合は角膜移植が必要になることもあります。
※オプション検査となっています
STEP07
前眼部・結膜検査
角膜や結膜に異常がないか、まぶたの裏にコンタクトレンズの影響でアレルギー症状が出ていないかを診察します。眼の状態が悪い場合は、まず治療をおこない、改善後にコンタクトレンズを処方します。
STEP08
眼底検査
視神経乳頭陥凹(緑内障の目安)や眼底出血など、眼の病気がないかを診察します。
STEP09
涙液検査
ドライアイの検査です。乾燥感や充血、角膜の傷、疲れ目などの原因になります。
※オプション検査となっています
コンタクトレンズの選定とフィッティング
上記の検査・診察で眼に異常がなければ、コンタクトレンズを合わせていきます。
コンタクトレンズの選定
眼の状態、使用状況や環境(デスクワーク、運転など)を考慮し、コンタクトレンズの種類や規格(カーブ、度数)を選定します。その後、トライアルレンズを装用していただきます。
フィッティング確認
装用したトライアルレンズで視力測定をおこない、必要に応じて微調整をおこなった後、医師がフィッティング状態を確認します。これは非常に大切で、レンズが眼に適切にフィットしているかを確認します。
コンタクトレンズ処方
フィッティングに問題がなければ、院内でも処方が可能です。
適切なフィッティングの重要性
- 装用感が良く、瞬きをしたときにレンズが適度に動きます。
- 装用直後は快適でも、次第に吸盤効果で張り付き、充血や乾燥感が生じます。
- レンズの周辺がまぶたの裏に接触して異物感があり、レンズの動きが大きく視力が不安定になります。
ご自身の眼の状態に合ったコンタクトレンズを選ぶことが、快適な装用と眼の健康維持のために非常に重要です。
当院では、お一人おひとりの眼の状態に最適なコンタクトレンズを丁寧に選定し、安全で快適な装用をサポートいたします。定期的な検査で眼の健康を守りましょう。
コンタクトレンズ障害について

コンタクトレンズ(CL)は正しく使用しないと、さまざまな眼障害を引き起こす可能性があります。使い捨てソフトコンタクトレンズの普及により装用者が急増し、それに伴いCL関連の眼障害も増加しています。全国で約1,500万〜1,800万人がCLを使用しており、そのうち約10%に何らかの眼障害が生じていると推測されています。
コンタクトレンズの種類と特徴
ハードコンタクトレンズ(HCL)の特徴
- 異物感を生じやすい
- 外れやすい
- 障害の初期に痛みを感じるため、重篤な角膜障害を生じにくい
- 角膜の乱視矯正に優れている
ソフトコンタクトレンズ(SCL)の特徴
- 装用感が良い
- バンデージ効果により角膜障害に気付きにくい
- 汚れやすい
- 角膜の乱視矯正効果が低い
- 耐久性に劣る
コンタクトレンズ障害の原因
重症例を調査した結果、以下のような不適切なレンズケアや使用法が原因となっていることが明らかになっています。
コンタクトレンズによる主な眼障害
不適切なCL使用により、以下のような眼障害が生じる可能性があります。
- 角膜感染症
- 細菌性角膜炎
- アカントアメーバ角膜炎
- 角膜内皮障害
- 角膜潰瘍
特に緑膿菌やアカントアメーバによる感染症は重症化しやすく、入院治療が必要になることもあります。
安全なコンタクトレンズ使用のために
- 適正なレンズケアの実施
- 使用期間を守る
- 定期的な眼科検診を受ける
- 異常を感じたらすぐに使用を中止し、眼科を受診する
コンタクトレンズの使用は目の健康に大きく関わります。ソフトコンタクトレンズは違和感が少ないため、目の状態が悪化していることに気づきにくいという特徴があります。自分では気づかないうちに視力が低下していることもあります。安全で快適にお過ごしいただくために、定期的な眼科検診で目の健康状態をチェックすることをおすすめします。
こじま眼科では、コンタクトレンズをご希望の方に安全な使用法を丁寧に指導し、定期検査による早期発見・早期治療に努めています。