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硝子体手術とは
硝子体手術は、眼の硝子体と呼ばれる組織を除去し、網膜・硝子体の病気を治す手術です。この手術は、ガムをティッシュペーパーからはがすような非常に繊細で難しい処置と言われています。通常、局所麻酔でおこなわれ、手術時間は平均1時間から、複雑な症例では2時間以上かかることもあります。
硝子体の問題を解決し、
網膜の正常な状態を回復させることを目指します。
硝子体とは
硝子体は水晶体と網膜の間に位置し、コラーゲン繊維と水でできた透明な組織です。眼球の大部分を占めるこの硝子体が網膜を引っ張ったり、出血や炎症により濁ったりすることで、さまざまな眼の病気を引き起こします。
硝子体手術の方法

硝子体手術では、白目の部分から非常に細い専用器具を眼内に挿入し、硝子体の切除や網膜の治療をおこないます。
手術では主に硝子体カッターを使用して、出血や混濁した硝子体を切除して吸引除去します。また病状に応じて、網膜上に張った膜を細長いピンセットのような器具で慎重に除去したり、網膜の裂孔部分をレーザー光線で固定したりします。
このような疾患で硝子体手術を検討します
- 網膜剥離(網膜が本来の位置から剥がれる状態)
- 硝子体出血(硝子体内に血液が漏れ出す状態)
- 増殖糖尿病網膜症(糖尿病による網膜の血管異常から新生血管が発生する病態)
- 黄斑上膜(網膜の中心部である黄斑の表面に膜が形成される状態)
- 黄斑円孔(網膜中心部に穴が開いた状態)
- 網膜静脈閉塞症(網膜の静脈が閉塞して血流が滞る状態)
- 眼内炎(眼内に発生した感染や炎症)
- 水晶体核落下(白内障手術中などに水晶体が硝子体内に落下してしまった状態)
手術のリスクと合併症
硝子体手術は現在、広く安全におこなわれている手術ですが、すべての手術にはリスクが伴います。
稀に起こりうる合併症
- 手術後に眼内に細菌やウイルスが侵入する(感染症)
- 手術によって新たに網膜剥離が生じる(網膜剥離)
- 角膜が傷ついたり、一時的に濁ったりする(角膜障害)
- 眼圧が上昇する状態(緑内障)
- 網膜中心部に水分がたまり腫れる状態(黄斑浮腫)
これらのリスクは比較的低いものですが、手術を受ける前に専門医と十分に相談し、理解しておくことが大切です。当院では患者さまのご不安を軽減するため、手術前の丁寧な説明を心がけています。
手術後の経過と注意点
硝子体手術後の注意点
傷口の回復や眼内の安定のために、医師の指示に従った点眼薬の使用が必要です。また手術直後は眼の疲れや違和感がありますが、多くの場合、時間とともに改善します。
回復期間中の注意点
激しい運動や重い物の持ち上げを避け、洗顔や入浴時に眼に水が入らないよう注意することが大切です。定期的な通院と検査を欠かさず、異常を感じた場合はすぐに医師に相談しましょう。
当院の硝子体手術について

こじま眼科では、硝子体や網膜の疾患に対して、症状や状態に応じた診断と治療をおこなっています。特に加齢黄斑変性や糖尿病黄斑浮腫などに対しては、硝子体内注射による治療をご提供しており、視力低下を防ぐ効果的な治療をおこなっております。
当院での治療の流れ
- 詳細な検査と診断
- 患者さまの状態に合わせた治療法の提案
- 必要に応じた硝子体内注射の実施
- 定期的な経過観察
重度の硝子体疾患や手術が必要と判断された場合は、硝子体手術をおこなえる大学病院等をご紹介し、連携して治療を進めています。
当院では患者さまの視機能を守るため、症状の早期発見と適切な治療を心がけています。目の不調や視力低下を感じられましたら、お早めにご相談ください。